top of page
  • 執筆者の写真OTO工房

音符、楽譜が読めない人でも、 ピアノが弾ける21世紀です

恥ずかしい話ですが、 私はピアノ調律を生業としているのに、 音符が読めません。。

五線譜をすごくゆっくり数えれば、 どれが「ド」か「シ」かは当然わかります。 でもそこに書かれている連続した音符を瞬時に解読し、 それを鍵盤に反映するという芸当が絶対にできません。 書かれてる音符に、鉛筆でド、レ、ミを書かないと弾けないのです。この方法だと1曲弾けるようになるのに 何ケ月もかかってしまいます。 毎日ピアノに接しているのに、 自分にはやっぱりピアノはちゃんと弾けないのだ、 あー無理なのだ、 と暗い気持ちで調律などしていたそんなある日! 偶然出会ったのが動画サイトにあった 

"PIANO READER" や"PIANO Tutorial"

というものでした。 正に私にとって救世主でした。

どんなもの?

これは、画面の上から譜面通りに落ちてくる棒のようなアニメーション指標に合わせてピアノを弾けばちゃんと曲になっていく、 という単純でいて優れたものです。 何度も何度も弾いていくうちに自然と覚えていきます。 そこには、何分の何拍子だとか、ダカーポだとか、ヘ短長調だとか、そういった私にとっては超難解だったあの楽譜の世界とはなんら関係のない単純穏やかな世界です。 ただ指標に従って弾くことだけに集中すればいいのです。 最初この方法に出会った時は、大袈裟でなく手が震え、 心から感動し、興奮してしまいました。 こんなものを作ってupしてくれている方に感謝したものです。




とにかく曲が弾けるようになりたい..

この方法だと、最初から楽譜を無視して弾くので暗譜することになります(厳密には音符を読んでないので暗譜とは言えないのかもしれませんが)。 そのため応用は利かず、 その曲を純粋に弾けるようにしかなりません。 もっと言ってしまうと、 弾けるようになった曲の楽譜を見ながらでは弾けないという、 ちょっとおかしなことにもなります。 プロのピアニストになるわけでも目指すわけでもなく、 音符は読めないけど、 とにかく映画やドラマとかで聴いた素敵なあの曲を、 好きなピアニストが気持よく弾いているあの曲を、 どうしても弾いてみたい。 バイエルやハノンが大事なのはわかるけど、 あの修行のようなことを飛び越し直ぐに弾けるようになりたい、 という方には強くお勧めいたします。

スローなテンポで何度でも弾ける

実は一昔前から、一部の電子ピアノには似たような機能を持たせた機種がありました。 しかしそれは機能的に少しとっつきにくいものでした (今はもっと改善されていると思いますが)。 このPIANO READER" や"PIANO Tutorial"が優れているのは、 通常のスピードより遅い50%のスピードのものもある点と、 動画サイト内の映像なので、 止めたり戻ったりということが簡単にできる点です。 最近ではタブレットなどを譜面台に置いて練習されている方が多いようです。 私が初めて出会った頃は、曲の数もあまり多くなかったのですが、今ではすごい数の曲や、それ専用のソフトが多数あったり、Tutorialのコミュニティが存在したりと、 かなり市民権を得てきた様子です。 これはそれだけ世界中で需要があるということだと思います。

ピアノが弾けるようになると人生まで変わる?

こういう覚え方は邪道だという方や否定される方もいらっしゃると思います。 「調律師なのにけしからん」とか。 しかし私は数年前まで一切ピアノが弾けなかったのに、 これに出会ってベートーベンの「月光 第一楽章」が暗譜でなんとか弾けるようになりました。 映画「戦場のピアニスト」を観て、誰もが憧れたはずのショパンの「ノクターンNo.20」がなんとか弾けるようになりました。 またこれが一番大きかったのですが、 ピアノを少しだけ弾けるようになって初めて、 ピアノという楽器の本当の素晴らしさや凄さを知りました。 そして作曲家という、とてつもない才能を持った人種たちの存在を改めて垣間見て圧倒されることになり、 自分の生き方や仕事にまで大きな影響を与えたのです。 つまり自分の人生がとても豊かになりました。 私はこれだけで満足でした。

ただし一つお断りしておきたいのですが、 楽譜を少しでも理解しながらピアノ音楽をゆっくり楽しみたい、 という方にはお勧めしません。 もし音符や楽譜が読めなくて、 ピアノを弾くことに絶望を感じ諦めている方がいらっしゃったら、騙されたと思って是非一度試してみてください。

閲覧数:6回0件のコメント
bottom of page